トップページ > 「医師転職時代」の医師のマナー/医師の転職時のマナー「ソッポを向いたまま患者を迎え入れるな」

病院が医者を選ぴ、患者が医者を選ぶ時代に入ります。正にチーム医療の時代です。実力のない医師やコメデイカルとうまくやっていくことのできない協調性に欠ける医師は冷遇されてしまう時代に入ることは間違いありません。
医師たる者、自分の責任において自分を磨き、自分を売り込めるだけの実力を身につけておくべきです。当サイトでは随所に実例を挙げながら医師が日常の仕事をして行く上でのマナーを解説していきます。
(シニア医師)

「医師転職時代」の医師のマナー

  • 医師の転職時のマナー
    「ソッポを向いたまま患者を迎え入れるな」

既になじみになった患者はまだしも、初対面の患者は、問診カードを書いてもらったならそれによく目を通したうえで、ドアに視線を向けて患者を迎え入れる姿勢をとるべきです。

外科医は案外無頓着だし、若い医者は自分が若いという引け目も手伝ってまともに患者に目を向けず、カルテに目を落したまま迎え入れ、患者が目の前に坐ってもチラチラッと流し目をくれるだけで正面視しようとしないことが多いです。

こういう態度は患者にとっては拍子抜けです。もっとも、しかつめらしい顔で、相手をにらみつけるようなきつい眼差しを向けるよりはましです。これでは患者はひるんでしまい、訴えたいことの半分も言えなくなってしまうでしょうし、緊張のあまり血圧が異常に上がって「高血圧」と安易に診断されることにもなりかねません。

患者はドアをあけて医者と初めて顔を合わせる瞬間に胸をときめかせています。

格別愛想がいいのも薄気味悪いですが、まるで無愛想だったり、無表情な冷たい目つきでにらみつけられたら、それこそ心臓が凍り付く思いをし、たちまち居たたまれなくなるでしょう。

患者の表情、顔色、椅子に腰かけるまでの足取りをとくと観察することは必要(ことに見識がある神経内科医や脳外科医ならこの点を重視するはずです)で、やはり相手を正面視して迎え入れるべきですが、まるで罪人を尋問するような目つきで患者を萎縮させてしまってはいけません。

筆者は学生時代、猛烈な眼痛に悩みました。思い当るところはありました。

発症はそれより3年前、高校時代で、一人の美少女への片思いに悩んだ頃です。彼女の愛を得られないのは自分が醜男だからと思い込み、来る日も来る日も鏡を見ては思い悩みました。そのうち自分の顔がガラスに映るのも忌避するようになり、やがて目のやり場に困るようになりました。

そうこうするうちに眼が痛み出したのです。それと共に急速に視力が落ち、卒業間際には0.1にまで落ち込んで眼鏡をかけるようになりましたが、この眼鏡がまた重くて重くて仕方がありません。

そんな悩みを抱いて大学病院の眼科を訪れたのですが、いきなりこちらを見すえた医者の強い眼差しにたじろいでしまいました。眼鏡の度も合っているし、眼球にも異常はない、痛いはずはないときめつけ、いぶかし気にこちらを見やる。あまりに痛いので、ニーチェではないですが、失明するのではないかとの恐怖におののいていただけに、何ともないと言われて安心はしたものの痛みの解消にはつながりそうにありません。

実はこういうこんないきさつから痛み出したのですがと告白すべきかとも思いましたが、ニコリともせず疑わし気にこちらを見やるばかりの医者に気負されて、スゴスゴと引きあげました。

自分の肉体の傷やときには弱点をいずれさらけ出さなければならない、肌を露わにし、恥ずかしい体位を取らされることにもなりかねないと、患者は卑屈な思いで病院の敷居をまたいで来ています。

名指される瞬間まで、いっそこのままUターンして逃げ出そうかと考えている患者もいます。診察室のドアをあけた瞬間、そうした逡巡を断ち切り、観念してしまうのですが、せめて次の瞬間には、来てよかった、逃げ出さなくてよかったと、ホッと安堵するものを患者は期待しています。

その意味で、一番いいのはナースが優しい笑顔で患者を迎え入れることです。いかめしい、むくつけき男の顔よりも、白衣の天使の笑顔の方が絶対に患者の気持ちを和ませるし、患者も多分、ナースがそんな風に迎え入れてくれることを密かに期待しています。

が、実際にはなかなかそうはいきません。ナースは医者が前の患者に出した入院や検査の指示書きに追われていて患者にお尻を向けていることが多いです。それらは後回しにしてでも新たな患者に向き直るべきなのですが、マンパワーにゆとりがなかったり、接遇マナーが徹底されていない病院ではしばしば見受けられる光景です。

ナースの気配りが行き届かないなら、それと素早く見て取って、せめて医者が患者を温かく迎え入れるべきです。ナースと二人でそっぽを向いていた日には、患者はたちまち疎外感に襲われます。

<続く>

(シニア医師)

転職を目指す医師が医師転職支援会社を調べてみたいと思ったら

>>>医師転職サイト比較ランキング+口コミ評判

目次

トップページ
「医師転職時代」の医師のマナー<2018年10月>
「医師転職時代」のマナー

口コミを投稿する