トップページ > 「医師転職時代」の医師のマナー/医師の転職時のマナー「前の病院でこうだったは禁句」

病院が医者を選ぴ、患者が医者を選ぶ時代に入ります。正にチーム医療の時代です。実力のない医師やコメデイカルとうまくやっていくことのできない協調性に欠ける医師は冷遇されてしまう時代に入ることは間違いありません。
医師たる者、自分の責任において自分を磨き、自分を売り込めるだけの実力を身につけておくべきです。当サイトでは随所に実例を挙げながら医師が日常の仕事をして行く上でのマナーを解説していきます。
(シニア医師)

「医師転職時代」の医師のマナー

  • 医師の転職時のマナー
    「前の病院でこうだったは禁句」

入職後3ヶ月か半年は、年齢、経験の多寡にこだわらず、新人のつもりで謙虚に行動した方がよいです。

新しい職場に移ってみると、これまでの職場とは異なる色々な点が目につきます。マニュアルや物事の流れも違っていて戸惑うことが多いです。

必然、ストレスがたまり、いらだちます。そんな時よく口に出すのが、前の病院ではこんなモタモタしたやり方はしてなかった、前の病院ではこうやって何の支障もなかったんだからと、古巣のマニュアルや仕事セリフの流れを正当化し、新しい職場のそれをけなすような台調です。

確かに、病院によっては旧態依然としてまどろっこしく、やけに書く作業が多かったり、多分に総務の責任と思われるが、責任の所在が一体誰に、どこにあるのか判らず、伝達経路もサッパリ不得要項を得ない、ということがあります。

たとえば、外来で患者を呼ぶ場合、大抵はナースが診察室のマイクで呼ぶか外来のドア越しに肉声で声をかけるのが普通ですが、患者を呼ぶのは先生の仕事ですとナースがソッポを向いている病院もあります。

「冗談じゃない!何で医者が呼ばなきゃなんないんだ。前の病院ではちゃんとナースが呼んでたぞ!」と、いきなり目くじらをたてて怒鳴ると角が立つのです。

「えっ?そうなの?いやぁ、患者さんはやっぱり色気のない男の声より女性の澄んだ柔らかい声で呼ばれる方が安心するんじゃない?」というくらいにやんわりと返した方がよいです。

医者が面倒に思うのは薬の処方筆を書く作業ですが、これもある病院では、医者はカルテに書くだけで後はナースが処方筆に書き写してくれます。そういう病院にいた医者は、「処方筆も先生に書いてもらうことになってますから」と言われると、たちまちカチンと頭にくることがあります。

「なにィ、処方筆も医者が書けだと!冗談じゃないよ。そんなもん前の病院ではナースが全部書き写してくれたぞ!」などと、ここでまた「前の病院」を引き合いに出したりすると、「あの先生は何でも前の病院ではこうだった、前の病院ではああだった、前の病院の方が断然楽だったって言うのよね。」

「そんなに前の病院がいいんならやめなきゃよかったのにねぇ。」

「文句ばっかり言って楽をしよう楽をしようという魂胆だから、煙たがられ、嫌われて居ずらくなったのよ。」

等々、ヒンシュクを買ってたちまち院内中に悪評をまき散らされかねません。早晩上司や院長の耳に達し、あの男は不満分子、不平分子で和を乱す要注意人物、とのレッテルを貼られてしまいます。

目に余り、腹にすえかねることが多々あっても、イチイチ現場でスタッフに八つ当りしないことです。

どんな病院でも医局会くらいは定期的に聞いているはずですから、そこで改善策を提案したらよいです。

もし彼の主張や前任病院のやり方の方が効率的で且つ合理的なら、必ずや人を説得するに足るはずです。ただしその際も、「前の病院では」を軽々しく口にしないことです。プライドという言い方は語弊があるかも知れませんが、長年の自分達の習慣を新参者が一気に覆えそうとすれば当然古参の医者は面白くないし、面白を失うことにもなります。

私は長年病院の管理者をやっていたから、まず気になるのは受付、ロビー、外来の掲示物です。色褪せて黄ばみ、隅っこがちぎれた掲示物・・・それも2、3年前に貼ってそれっきり、というものが多い・・・貼り方も整然としておらず、空いた所ならどこでもいいとばかりベタベタ貼ってあったり、画鋲でなくセロテープであっち向いたりこっち向いたり、適当に貼ってあったりするのを見ると、ああこの病院の管理者は職員教育ができていないな、とまず考えます。

自分の専門分野と患者教育のために私はいつもパンフレットを作製して受付に置いてもらうことにしていますが、これにも無頓着で、半分もはけたらすかさず足しておくべきなのに、あと数部となっていても知らん顔していることが少なくありません。

頭にきますが、そこで職員を怒鳴りつけたりするとツケは倍になって返ってきます。

ここは抑え難きを抑え、こまめに注意を払ってくれるよう、やんわりと総務や医事課の責任者に言った方が波風は立ちません。

<続く>

(シニア医師)

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「医師転職時代」の医師のマナー<2018年10月>
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