病院が医者を選ぴ、患者が医者を選ぶ時代に入ります。正にチーム医療の時代です。実力のない医師やコメデイカルとうまくやっていくことのできない協調性に欠ける医師は冷遇されてしまう時代に入ることは間違いありません。 医師たる者、自分の責任において自分を磨き、自分を売り込めるだけの実力を身につけておくべきです。当サイトでは随所に実例を挙げながら医師が日常の仕事をして行く上でのマナーを解説していきます。 (シニア医師)
欧米人に比べ、 日本人は自己主張が苦手な民族と言われます。「謙譲の美徳」とか、「能ある鷹は爪を隠す」という言葉が好きです。 自分は何々ができるとか、何にかけては人後に落ちない、などと言えば、思い上がった高慢不遜の輩と、たちまちマイナスのレッテルを貼られかねません。 欧米人は、自分の特技や技量を売り込むことを何ら恥ずべきことと思いません。何も言わなければ雇用側は何を期待して採用していいかわからないはずだ、と考えるのであり、実際雇用側も、たとえば唐突に入社を希望して来た人間には、「I君は何ができるのかね?特技は?」と当然のように尋ねます。 日本人の場合、雇用者側も奥床しくて、相手のプライドを傷つけては悪い、などと妙な遠慮をしてしまいます。だから給料や勤務条件を呈示して、それを相手が呑めるかどうかくらいの話でお茶を濁し相手の技量について突っ込んだ質問をすることはまずありません。採用してしまってから、見込み違いで戦力にならない、とんだ高い買い物をしてしまったと悔み、早々にとって代わる人聞を物色し、彼をやめさせることに無駄なエネルギーを費やすことにもなりかねない。 本人からの情報が不確かな場合、雇用側は彼の前任病院に問い合わせることもやりかねません。円満退社して次に移る、ということは極めて稀で、大抵は何かー悶着あってやめる結果になった訳で、たとえやめた人間の言い分に理があっても、まずいいようには言われないから不利になります。 だから、雇用側が「前の病院をやめた理由は?」と尋ねたら、素直にありのままを打ち明けた方がよいです。「いえ、ま、何となく居心地が悪くて・・・」とか、「入ってみたら最初の話と違っていたので・・・」とか、曖昧に答えると、雇用者側としては不安に駆られます。是非とも真相を知りたい思いに駆られて前任病院に照合することになります。 雇用者側としては、人間的に多少問題はあっても、病院の戦力になり、「マンパワー不足を補って余りある力量」があるなら「よし」としたいと考えます。 10回に一、二度しか成功しないのに、10中8、9成功するような言い方はしないことです。たとえばIVHとか挿管とかPTCとかERCPとかいったテクニック的なことです。 IVHという日常最もありふれた手技ができるできないだけで相当な戦力の違いになります。 巧みな者はものの数分で入れてしまいますが、下手な人聞は30分かけても入りません。 挙げ句気胸など起こして患者を苦しめます。数分で済むのと30分もかかってようやく、それも十回のうちー、二回というのでは、これにつくナースの仕事も滞らせます。 「あの先生はIVHもできないのよ」と、たちまち不評を買って信頼を失いそうです。 「IVHはどうも苦手です。十回のうち一、二回入るか入らないかです」と正直に言えば、「じゃ、ウチに上手な医者がひとりいるからその先生についてマスターしてくれ」とか、「せめてIVHはマスターしてから来てくれ」とか、雇用側もハッキリ注文をつけられます。 とっさの場合の気道確保の手段である気管内挿管は、救急指定痛院であれば必須の手技であるし、そうでなくても日常茶飯その必要に迫られます。この蘇生術が確実にできるかできないかは、これまた戦力につながるか否かの問題です。もっとも、昔は雇用者側も遠慮して余り根掘り葉掘り応募者の懐の内を探ることはしなかったですが、昨今はかなり突っ込んで詰問に及んでいるようです。 私が院長であった時は、応募者には必ずこうしたテクニックをどこまでこなせるか質問しました。 一方、実際できるのに、あまりに謙遜し過ぎるのもよくありません。十中八、九できるのに一、二しかできないような言い方をしてまともに取られると、マイナスイメージにつながりかねません。 やはり一、二分控え目に言っておくのが無難ではないかと思います。 <続く> (シニア医師) 転職を目指す医師が医師転職支援会社を調べてみたいと思ったら >>>医師転職サイト比較ランキング+口コミ評判
欧米人に比べ、 日本人は自己主張が苦手な民族と言われます。「謙譲の美徳」とか、「能ある鷹は爪を隠す」という言葉が好きです。
自分は何々ができるとか、何にかけては人後に落ちない、などと言えば、思い上がった高慢不遜の輩と、たちまちマイナスのレッテルを貼られかねません。
欧米人は、自分の特技や技量を売り込むことを何ら恥ずべきことと思いません。何も言わなければ雇用側は何を期待して採用していいかわからないはずだ、と考えるのであり、実際雇用側も、たとえば唐突に入社を希望して来た人間には、「I君は何ができるのかね?特技は?」と当然のように尋ねます。
日本人の場合、雇用者側も奥床しくて、相手のプライドを傷つけては悪い、などと妙な遠慮をしてしまいます。だから給料や勤務条件を呈示して、それを相手が呑めるかどうかくらいの話でお茶を濁し相手の技量について突っ込んだ質問をすることはまずありません。採用してしまってから、見込み違いで戦力にならない、とんだ高い買い物をしてしまったと悔み、早々にとって代わる人聞を物色し、彼をやめさせることに無駄なエネルギーを費やすことにもなりかねない。
本人からの情報が不確かな場合、雇用側は彼の前任病院に問い合わせることもやりかねません。円満退社して次に移る、ということは極めて稀で、大抵は何かー悶着あってやめる結果になった訳で、たとえやめた人間の言い分に理があっても、まずいいようには言われないから不利になります。
だから、雇用側が「前の病院をやめた理由は?」と尋ねたら、素直にありのままを打ち明けた方がよいです。「いえ、ま、何となく居心地が悪くて・・・」とか、「入ってみたら最初の話と違っていたので・・・」とか、曖昧に答えると、雇用者側としては不安に駆られます。是非とも真相を知りたい思いに駆られて前任病院に照合することになります。
雇用者側としては、人間的に多少問題はあっても、病院の戦力になり、「マンパワー不足を補って余りある力量」があるなら「よし」としたいと考えます。
10回に一、二度しか成功しないのに、10中8、9成功するような言い方はしないことです。たとえばIVHとか挿管とかPTCとかERCPとかいったテクニック的なことです。
IVHという日常最もありふれた手技ができるできないだけで相当な戦力の違いになります。
巧みな者はものの数分で入れてしまいますが、下手な人聞は30分かけても入りません。
挙げ句気胸など起こして患者を苦しめます。数分で済むのと30分もかかってようやく、それも十回のうちー、二回というのでは、これにつくナースの仕事も滞らせます。
「あの先生はIVHもできないのよ」と、たちまち不評を買って信頼を失いそうです。
「IVHはどうも苦手です。十回のうち一、二回入るか入らないかです」と正直に言えば、「じゃ、ウチに上手な医者がひとりいるからその先生についてマスターしてくれ」とか、「せめてIVHはマスターしてから来てくれ」とか、雇用側もハッキリ注文をつけられます。
とっさの場合の気道確保の手段である気管内挿管は、救急指定痛院であれば必須の手技であるし、そうでなくても日常茶飯その必要に迫られます。この蘇生術が確実にできるかできないかは、これまた戦力につながるか否かの問題です。もっとも、昔は雇用者側も遠慮して余り根掘り葉掘り応募者の懐の内を探ることはしなかったですが、昨今はかなり突っ込んで詰問に及んでいるようです。
私が院長であった時は、応募者には必ずこうしたテクニックをどこまでこなせるか質問しました。
一方、実際できるのに、あまりに謙遜し過ぎるのもよくありません。十中八、九できるのに一、二しかできないような言い方をしてまともに取られると、マイナスイメージにつながりかねません。
やはり一、二分控え目に言っておくのが無難ではないかと思います。
<続く>
(シニア医師)
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