トップページ > 「医師転職時代」の医師のマナー/医師の転職時のマナー「人を見て法を説け−原則は敬語」

病院が医者を選ぴ、患者が医者を選ぶ時代に入ります。正にチーム医療の時代です。実力のない医師やコメデイカルとうまくやっていくことのできない協調性に欠ける医師は冷遇されてしまう時代に入ることは間違いありません。
医師たる者、自分の責任において自分を磨き、自分を売り込めるだけの実力を身につけておくべきです。当サイトでは随所に実例を挙げながら医師が日常の仕事をして行く上でのマナーを解説していきます。
(シニア医師)

「医師転職時代」の医師のマナー

  • 医師の転職時のマナー
    「人を見て法を説け−原則は敬語」

初対面の患者はまず見ず知らずの他人である。カルテには年齢と勤務先くらいしか書いてないから、その人がどういう人物なのかは、風采や身だしなみから判断する他ありません。

ある大手の企業の重役が風邪気味で早目に退社して某院を訪れました。呼ばれて診察室に入ると、髪を長くした自分の息子くらいの若い医者が無愛想にこちらを見すえていました。

「何だ、こんな若造に診てもらうのか?」

と拍子抜けがした途端、いきなり無造作に顎をつかまれ、「ハイ、アーンと口をあけてごらん」とまるで大の大人を子供扱いするような乱暴な言葉が飛んできました。

こちらはネクタイに背広とフォーマルないでたちで来ているのに、見れば医者はノーネクタイで、何日も着古したようなYシャツに薄汚れた白衣をひっかけただけのラフなスタイルです。

それでも、「のどをちょっと見させて下さい」と、当然目上の者に対する丁重な言葉遣いを期待しましたし、それならまぁ少々の無愛想は大目に見ようと思っていたのですが、「アーンとあけてごらん」で完全に頭にきました。

「一体自分を何様と思ってるんだ!?この若造は!」

喉元にこみ上げたこんな義憤を呑み込むのがやっとでした。

上の話は実話であり、憤憩やる方ないものを覚えた紳士は、新聞社に勤めている友人にこの屈辱的な体験を物語り、一体今時の医学生の教育はどうなってるんだとひとしきりいきまきました。

たまたまこの友人は夕刊時事のコラムを担当していたから、恰好の話題とこのいきさつを紙面に載せました。もとより名指しではありませんが、件の若い医者はこうして見事にしっぺ返しを食ったのです。

このエピソードは、実はもう20年ほど前、一県一医大構想に則って次々と医科大が新設され、医者の粗製乱造と巷ささやかれていた頃の話です。

私の同僚にもこの紳士を憤らせたような横柄な口のきき方をしている若い医者がいて、日頃から何とも目障り耳障りに感じていましたから、新聞のこのコラムを切り抜いてそれとなく彼の目のつく所に置いておきました。

効果はできめんで、それから彼は別人のごとく丁寧な言葉遣いをするようになりました。年長者でも馬鹿丁寧な敬語を使う必要はありませんし、同年輩かそれ以下の患者には友達風の口のきき方で充分ですが、年配者には原則として敬語を使うべきです。

私がもし患者としてある病院の外来を訪れ、いかにも年下の医者から「ハイ、アーンと口をあけて」とか、「横を向いてごらん」などと言われたら、二度とそこを訪れる気はしないでしょう。

たとえ医者の方が年長でも、大の大人である患者に、「アッチ向いて」とか「こっち向いて」とか「・・・してごらん」と指図し、少し要領が悪くて患者がモタモタしていると、「そうじゃない、こうだよ」と語気を尖らせたりするのを耳にするのは愉快なことではありません。

<続く>

(シニア医師)

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